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漢方薬について(2) 従来の漢方薬は、昔ながらの方法を用いて、各家庭で、生薬を煎じてのむものでした。しかし現在、医療機関で出されている漢方薬のほとんどは、高度な製剤技術を用いて作られた、煎じる必要のない、品質の安定したエキス剤(医療用漢方製剤)です。エキス剤は、最先端の技術を用いた、近代的な工場で作り出されます。漢方薬は、原料が命です。原料の生薬によって製品の優劣は決まりますから、生薬を厳選することが最も大切です。そのためエキス剤では、専門家が一つ一つの生薬を厳選し、品質を管理しています。また、生薬は天然物であるため、変質しやすい欠点を持っていますが、エキス剤という形にしたことで、品質が安定しています。さらに、工場生産により、いつでもほぼ一定の品質の製品提供が可能になっています。患者さんの立場から考えますと、エキス剤は煎じる手間がかからず、匂いによる周囲への迷惑がなくなり、持ち運びが便利になり、手軽にのめるようになりました。加えて、煎じ方による個人差、すなわち、成分や濃度などのばらつきもなくなり、一定した効果が期待できるようになりました。しかし、エキス剤は決められた処方にしたがって作られていますので、一つ一つの生薬の加減ができないこともあります。また、漢方薬の効果として重要な、香りの成分が少ないといわれることもありますが、香りの効果はごく少量でも十分にある、という報告もあります。高品質なエキス剤には、①常に一定の品質で、一定の効果を発揮する製剤②安定性の高い製剤③服用しやすい製剤の、三つの条件があげられます。そのために、原料生薬の栽培から製品化まで、一貫した生産工程のもとで作られています。また、各工程で品質チェックなどが行われているのはもちろんのこと、出来上がった製品に対しても、さまざまな試験が行われ、生薬成分が規定どおりに入っているか、きびしくチェックされています。 漢方薬といえども薬であること、天然物にも有毒なものがあることなどから、漢方薬にも好ましくない作用が出ることはあります。漢方薬の好ましくない作用として一番多くあげられるものには、味や香りになじめなくて吐き気が起こる、のむ量が多くてお腹がふくれる、のみ始めたときにお腹がゆるくなる、などがあります。現代はアレルギー時代と呼ばれるように、昔は少なかったアトピー性皮膚炎や花粉症、サバ、牛乳などの食べ物などによってアレルギーを起こす人が、多くなっています。そのため、アレルギー体質の人が漢方薬をのんだ場合、頻度は少ないですが、発疹などが出ることもあります。たとえば、先ほどの漢方薬ののみ始めにお腹がゆるくなる状態は、漢方薬が効くようになってきた証拠です。このように、漢方薬をのみ始めると一時的に症状が悪くなった後に、急激によくなっていくことがあります。このような現象を、漢方では「瞑眩」(めんげん)と呼んでいます。ただし、その症状が本当に瞑眩なのかそれとも、好ましくない作用なのかは、専門家がよく調べる必要がありますので、自分で瞑眩だと決めつけずに、好ましくない症状や嫌な症状がある場合には、遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。 |